圧巻のリアル感!「降霊するシェアハウス」セット潜入レポート
公開されたルームツアー映像では、渡辺翔太が劇中に登場する事故物件「降霊するシェアハウス」を実況中継。土足禁止の不気味な張り紙から始まるツアーは、細部まで計算されたホラー仕様だ。床の軋む音、壁に残された謎のシミ、不自然に配置された家具の数々——このセット設計には中田秀夫監督の「五感で恐怖を感じさせる」というこだわりが反映されている。
特に注目すべきは「西洋降霊術」の鍵となる図盤(ずばん)※1の存在だ。伝統的な魔除けの意匠と現代アートが融合したこの小道具は、物語の重要なキーアイテムとして機能する。製作陣が実際に古書店で購入したという19世紀の魔術書を参考に再現したとの情報も、ファンならずとも興味をそそられる。
※1 図盤:特定の紋様が刻まれた円形の板。作中では降霊術の儀式に使用される。
「諒くんと一緒だと顔がゆるんでしまう」と語る渡辺のコメントからは、緊張感のある撮影現場の裏側での息の合ったコンビネーションが伝わってくる。現場の空気感を大切にする中田監督ならではの演出が光るシーンだ。
このシェアハウスに実際に住むとしたら、あなたはどの部屋から探索を始めますか?
キャスト陣が明かす「降霊シーンの舞台裏」
渡辺翔太「単独初主演への覚悟」
Snow Manとしての活動で培った表現力に加え、映画単独初主演としての責任感がにじむ渡辺のインタビューは必見だ。「台本の余白に書き込んだメモが毎日増えていく」というこだわりようからは、役作りに対する真摯な姿勢が伝わる。
特に注目すべきは「精神的なダメージを表現するために、撮影前の食事制限を敢行した」というエピソード。肉体改造ではなく「心の空洞感」を表現するための方法論に、役者としての成熟度が感じられる。
加藤諒が語る「継続出演の意義」
前作からの継続出演となる加藤諒は「同じ役柄でも時間の経過と共に変わる人間関係を表現した」と語る。共演者との即興芝居を交えたアドリブシーンが採用されるなど、俳優同士の化学反応を最大限に生かした演出が特徴だ。
「恐怖とはまさに『日常の隙間』から生まれるもの」と語る加藤の言葉通り、シェアハウスという閉鎖空間でこそ引き出される演技の深みが光る。
もしあなたがホラー映画の主人公なら、どんな方法で恐怖を表現しますか?
比較表でわかる!前作との進化ポイント
項目 | 前作 | 本作 |
---|---|---|
舞台設定 | 単身者用マンション | シェアハウス |
恐怖の源泉 | ひとりぼっちの孤独 | 他者との共存から生まれる疑心 |
特殊小道具 | 古い鏡 | 西洋図盤 |
演出手法 | 静寂を活かした心理描写 | 音響効果を駆使した五感攻撃 |
原作ファン必見!松原タニシ作品のリアリティ
実際に事故物件に住み続ける体験者として知られる松原タニシ氏のノンフィクション要素が、本作のリアリティを支えている。取材班が実際に足を運んだという全国の心霊スポットのデータベース活用法や、体験談の再現ドラマ部分の演出など、原作愛溢れるこだわりが随所に散りばめられている。
特に興味深いのは「現代人が感じる不安の可視化」というテーマだ。SNS社会における人間関係の希薄化、コロナ禍を経た「共存」への恐怖——時代を反映した新たなホラー要素が追加されている点が特徴的だ。
あなたが実際に体験した「説明のつかない現象」はありますか?
ホラー映画史に残る革新性と今後の展望
本作の最大の革新点は「集合住宅の恐怖」を現代的な文脈で再解釈した点にある。従来の心霊現象ものとは異なり、人間関係の歪みから生まれる心理的ホラーと物理的恐怖が絶妙にブレンドされている。
中田秀夫監督が語る「ホラーは社会の鏡」という言葉通り、少子高齢化が進む日本における「シェアハウス」という居住形態そのものへの問いかけが作品の底流にある。渡辺翔太という若手実力派俳優を起用したことで、従来のホラー映画ファン層を超えた広がりが期待される。
今後はVR技術を活用した没入型ホラー体験の展開や、海外リメイク版の制作など、グローバルな展開も視野に入れているという。日本のホラー映画が再び世界を驚かせる日が来るかもしれない。
私たちはなぜ、わざわざ怖い映画を見たがるのでしょうか?その心理を考えながら劇場の暗闇に身を委ねてみたい。
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